世界各国のソーラー・チャレンジ~太陽光発電の技術革新~

地球温暖化などの環境問題や石油危機といった問題、東日本大震災時の原発事故からあとは急速に、自然エネルギーへの関心が高まっています。2011年12月5日からは千葉・幕張メッセで最新の太陽光発電技術を紹介する展示会が始まりました。この展示会は日本をはじめ中国、ドイツなど6つの国と250の企業・団体が参加しています。今後何回かに分けて、太陽光発電の世界の最新技術や取り組みをご紹介します。まずはじめに、世界のソーラーチャレンジからみていきましょう。

各国の特性を生かしたソーラー・チャレンジ

【スペイン】太陽が出ていなくても発電できる?!「ヘマソラール」

太陽光発電の弱点といえば、曇りの日や夜といった太陽光が届かない時には発電力が弱まってしまうことです。この弱点を克服したのが、スペインのフエンテデアンダルシアにある、ヘマソラール(Gemasolar Plant)19.9MWのタワー集光型太陽熱発電所です。

この発電所は、185ヘクタールもの広大な土地に設置されており、受信機となるタワーを中心として、2650個の反射鏡が周りを取り囲んでいます。これらの反射鏡が集めた太陽エネルギーが水蒸気タービンを回転させ、約25,000世帯分もの電力を供給することを可能にしたのです。さらに、溶融塩電池を用いて熱を効率的に蓄えることが可能となっており、照射時間に左右されずに、平均20時間/日の発電が可能とのこと。

スペインは、2008年度の太陽光発電施設の新設容量は大型原発1基分を上回る170万キロワットと世界最大級であり、今や、太陽光発電に最も力を入れている国の一つです。

【オーストラリア】発電能力は400メガワット!資源大国のソーラー・チャレンジ

オーストラリア政府が進める、再生エネルギー発展に向けた「Solar Flagships Program ソーラー・フラグシッププログラム」。その中でも、ビクトリア州北東部にて、2009年に着工開始し、2016年からの稼働を目指す太陽光発電所は、年間晴天率が高く、太陽光発電には最適な環境であるオーストラリアならではの大規模施設です。この施設が本格稼働すれば、日本の一般家庭7万強の世帯が1年間に排出する、CO2量に相当する年間39万6000トンを減らせる見込みと言われており、環境問題の点からも高い注目を集めています。

また、従来の火力発電に太陽光発電を付加することで、双方の利点をうまく生かそうという考えから「ソーラー・ブースト・プロジェクト」が生まれました。 簡単に言うと、太陽熱で水を温め、水蒸気を発生させ、火力による追加加熱でさらに水蒸気を増やします。こうして出来た蒸気によってタービンを回転させ、電気を作るのです。 こうして発電に利用された水蒸気は、再度冷やして水にもどし、発電に再利用されます。 このシステムは従来の発電所に併設するだけなので、着工から2年程度の期間で稼働が可能となり、太陽熱のピーク時には、最大44メガワットの発電が見込まれるとのことです。 2013年の完成を目指して、現在工事が進められていますが、完成すれば、世界最大規模の統合火力発電所となります。

最後に

大規模なソーラーチャレンジの波は日本にも訪れています。国際的な競争が激しくなる中、今後も世界的に大きな成長が見込める分野として、各社が日本向けに技術開発や生産を強化しています。その取り組みの中でも、日本の土地の特性を視野に入れた…例えば狭い面積でも効率よく発電できる…など、日本のメーカーが一歩リードしているように感じます。今回の最新技術展示会の情報がまとまり次第、ご紹介していきたいと思います。